石井好子 『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』
初出の単行本はえらい昔に出た本だったりします。
昔に出た本だと日焼けだとか小口研磨だとかで
本自体が悲しいことになっていることが多かったりします。
古本屋さんで購入したなら、それもまた一つの味なのかもしれませんが、
新刊で定価購入したのなら傷んだ本というのは見ているだけでも悲しいものです。
割りとKindle本というのは「古い本」というのはよほど名の知れた名作でない限り、
電子化されない傾向があります。(コミックだと話は別になると思う)
その中で電子化されているこの作品はやっぱり「名作」だろうな、と思います。
前ふりが長くなりました。食べ物系の随筆集です。戦後に活躍なされたシャンソン歌手である著者が見た世界の食文化、といった感じでしょうか。古い作品なのに古さを感じさせないのは、「美味しいモノは今も昔も変わらない」からでしょうか。
夜中に呼んでいるとお腹が空いてきます。コレも一つの飯テロでしょうか。この本の中には「バタ」とよばれるものが多数登場します。今でいう「バター」ですね。いろんな料理に登場する「バタ」が料理を美味しくする魔法の調味料のように思えました。
続編というか姉妹編?もあるんですよね。それもダウンロードしてあるんで、早いところ読みたいです。